「自分の気持ちを大切にすることは分かった。ただ、仕事とは関係ないんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃると思います。
一見関係ないように見えて、実は根底で繋がっています。
そもそも、「はたらく」とは、「傍を楽にする」。
自分に関係する人たちを「楽」にすることです。
では、何を「楽」にするのか?
多摩大学名誉教授の田坂広志先生が以下のように解説されています。
「はたらく」とは、他人の気持ちを「楽」にすること
※参考文献 「仕事の技法」田坂広志著
田坂先生の説明に、納得される方は多いのではないでしょうか。
何か買い物をして得た品物から、「気持ちが満たされた」経験が得られれば、愛着が沸くと思います。
し人間は、喜怒哀楽が紐づいた出来事は長く詳細に記憶します。
他人の気持ちを楽にする仕事はそれを得た人に記憶される、次に繋がるいいご縁を生む仕事なのです。
さらに私から追加で説明させて頂くと、
他人の気持ちを楽にするためには、まず自分が自分自身を「楽」にできていないと、本当の意味で他人の気持ちを楽にすることは出来ない。
例えば、自分は空腹なのに他人にご飯をおごる、という状況。
1回ぐらいはいいかもしれません。
・・・しかし、ずっとこの状況を維持するために、欲しくなるものがあります。
「見返りが欲しくなる」(褒めてもらう・便宜を図るなど)のです。
これは自分の内側から湧く動機(やる気)ではなく、
外の環境から与えられる動機になってしまうので、
「外の環境に依存した動機」になってしまいます。
環境が常に自分にマッチした見返りを提供してくれればいいのですが、
それが難しい場合、
すぐ環境を変えたり(転職や異動等)
見返りが得られそうな行動を、
無理してしようとする(過度な奉仕・過労等)
不安定さが付きまとうキャリアになりがちです。
他人に自分のキャリアの主導権を握られているような状態です。
環境からの見返り(報酬や地位等)をただガマン料として、
受け取って消費してしまう感じになります。
・・・あまりいい循環ではありませんね。
一方、まずは自分の気持ちを大切にして、仕事の動機(やる気)を自家発電で生み出します。
視野が自然と広がり、自分が本当にやりたかったことに自然と気づき、行動が自然と起こせる。
ガマンや無理ではなく、楽にできて道理が立つし、自分が基準なので予測しやすく安心。
・・・そんな好循環になれれば良いと思いませんか?
・・・実際、私自身も「自分を大切にする」を実践し出してからの方が、仕事の成果も会社からの評価も上がりました。
諦めかけていた昇進(管理職待遇の専門職という職位)も果たせ、昇進に見合う成果も挙げられるようになりました。
結局、仕事は一人では完結しません。
自分の機嫌を自ら良く出来る人には、それにふさわしい仲間や取引先が集まり、みんなで成果を出せる環境が整うようになります。
その好循環を、まず自分から起こせるかが大事です。